【2019 阪神】新外国人 ジェフリー・マルテ【特徴や成績】

オープン戦も終わり、いよいよ開幕が間近に迫ってきました。

開幕直前の野球ブログと言えば、普通は「順位予想」だとか「今季期待のかかる新人選手」だとか「開幕スタメン予想」やらやらが並ぶはずなのですが……

やきゅろぐではマイペースに「新外国人選手詳細」をやります。ええ……今更です。わかってますよ!終わらなかったのだからしょうがないじゃない。

でもようやく最後の一人です。

え?楽天がヒメネスを支配下から上げたって?

イレギュラーな話は後回しにしましょう。開幕してからやります。

ってことで(一応)ラスト!阪神の新外国人【ジェフリー・マルテ】について見ていきます。

阪神は28日、新外国人のジェフリー・マルテ内野手(27)=エンゼルスFA=との選手契約の締結を発表した。年俸は100万ドル(約1億1000万円)の単年契約。背番号は本人の希望もあり「31」に決まった。

【ソース:サンスポ

ジェフリー・マルテ (Jefry Marte) 基本情報

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投/打歳(生年月日)身長/体重所属
右/右27(1991/06/21)185cm/100kgエンゼルス(米)
成績
  • 【メジャー通算(15-18)】256試合728打席 30HR 打率 .222 OPS .695
  • 【マイナー通算(08-18)】875試合3681打席 71HR 打率.259 OPS .718
  • 【2018シーズン(MLB)】90試209打席 7HR 打率 .216 OPS .644

15年にメジャーデビューし、16年には284打席で15HRを放ったパワーヒッター。

打球の半分以上がレフト方向という典型的なプルヒッターで、空振りや三振はそれ程多くない。

選手経歴

  • 2007年に国際フリーエージェント選手としてニューヨーク・メッツと契約。
  • 2008年にルーキーリーグでデビューし、2012年には2Aまで駒を進めた。
  • 12年オフにトレードでアスレチックスへ移籍し2Aでプレー。
  • 14年11月4日にFA選手となる。
  • 14年11月22日にデトロイト・タイガースとマイナー契約を結ぶ。
  • 15年開幕は初めてとなる3Aで迎え、7月4日にメジャー契約を結びアクティブ・ロースター入り。
  • 翌5日にメジャーデビューしている。
  • 16年1月にトレードでエンゼルスへ移籍。88試合で15本塁打、打率.252を記録。
  • 18年オフに40人枠を外れ、FA選手となる
  • 18年12月28日、阪神タイガースとの契約合意が発表された

ジェフリー・マルテ (Jefry Marte) プレー動画

ジェフリー・マルテのまとめ動画。バッティングの様子が主となっていますが、後半に守備の様子も少しだけ入っている。

ハイボールに強いプルヒッターといった印象でしょうか。外の直球を思いきり弾き返し、ライナー性の打球が一直線にスタンドインなんて映像もあり、パワーに関しては間違いないように感じた。

NPB外国人選手好きさんのツイート動画。マルテのホームラン集。

やはり外角高め~ベルト付近にツボがありそうな印象。

ジェフリー・マルテ (Jefry Marte)  選手特徴

守備について

《守備経験》

  • 【一塁】メジャー:937.2イニング/マイナー:710.1イニング
  • 【三塁】メジャー:340.1イニング/マイナー:6156.2イニング
  • 【レフト】メジャー:192イニング/マイナー:経験無し
《守備指標》

  • 【一塁】メジャー:UZR(-3.9) 守備率(.988) マイナー:守備率(.987)
  • 【三塁】メジャー:UZR(3.0) 守備率(.959) マイナー:守備率(.900)
  • 【レフト】メジャー:UZR(-0.2) 守備率(.978) 

メジャーでは一塁をメインに守ったが、キャリアの大半は三塁手として過ごしている。

UZR指標としてはサードの方が良好。評判は少し弱いユーティリティ。

堅実性に欠ける所はあるが、一塁or三塁の守備についてそれほど心配する必要は無いと考えて良さそうだ。

また、外野守備はマイナー経験無し、メジャーに上がってからとなっている。RngRの値が通算で-1.9、ARMは1.7ということで経験を含めて考えれば可能性はありそう。

ポジティブな特徴

これぞMLB!パワーは本物

レフトスタンドへ突き刺さるような打球を放つパワーは本物。

また、その他の打球速度も良好な数字を残している。

先に紹介した動画にもベルト高~高めの外角寄りを強引に引張り、スタンドまで一直線なんて映像が数多く見られた。

16年に残した258打席で15本塁打、打率.252という数字はチームの主軸として期待できるレベルにあるだろう。

ここ二年は低調な数字が並んではいるが、27歳という年齢を考えれば修正は十分に可能である上、伸びしろにも期待が持てる。

4シームへの対応は◎

4シームにはめっぽう強い。

最も調子の良かった16年は当然として、低調だった17-18年もそれなりの率と本塁打数を記録している。

  • 16年:373球/107打数/打率.318/10本塁打
  • 17年:149球/39打数/打率.231/2本塁打
  • 18年:250球/54打数/打率.278/3本塁打
  • 通算:901球/235打数/打率.289/18本塁打

また、ストライクゾーン内のコンタクト率は94.7%、ボールゾーンにおいても87.3%と高いコンタクト率を残した。

アプローチは良化傾向?

これについては、ポジティブに取るべきか、ネガティブに取るべきか悩む所なのだが、一般的に見ればアプローチは良化傾向にある。

まず、三振率が良化した。

24.4%(15)→20.8%(16)→23.4(17)→19.6(18)

次に空振り率、コンタクト率の良化

  • 空振り率:10.2%(15)→11.5%(16)→11.1%(17)→8.4%(18)
  • コンタクト率:79%(15)→74.7%(16)→75.2(17)→80.3%(18)
  • O-Contact:55.0%(15)→50.3%(16)→55.7%(17)→65.8%(18)

※O-Contactはボールゾーンのコンタクト率

数字だけ見ると、着実に良化しているようにも見えるが、如何せん結果がついてきていないため評価が難しい。

極端なプルヒッターで有ることもあって、シフトを曳かれた場合の打率が非常に低い(18年シフト無し.290→シフト有り.130)。

となればコンタクト率を上げようと、ゴロであれば中々破ることは難しい。その点、極端なシフトを曳かないNPBであれば、単純にプラス材料と考えていい様な気もする。

ネガティブな特徴

18年は打球が上がらず……

3Aに上がった15年頃から、打球角度が段々と良化していたマルテだが、18年に大きく悪化している。

元々長距離砲と呼べるほどの弾道は描いていなかったのだが、18年のゴロ率54.9%はキャリア内で最低の数字

加えてコンタクト率は悪くなく、三振もそれ程多くないとくれば……恐怖のゲッツーマシンと化す可能性が大いにある。

球種別に見ると、変化球全般が厳しいようだ。中でも2シームとカーブがひどい。

以下に球種別のゴロ率をまとめた表を用意した。カッコ内は投じられた数になる。

球種18年通算
4シーム36.4%(250)35.0%(901)
2シーム72.2%(142)64.4%(470)
スライダー52.4%(156)50.0%(472)
チェンジアップ57.7%(135)59.7%(376)
カーブ72.7%(83)63.0%(333)
カット53.8%(87)50.0%(204)
スプリット0%(5)50.0%(41)

また、18年のフライ確率は2シーム・カット・カーブで1桁台を記録している。

この辺りを修正しない限り、長距離砲としては難しいかもしれない。

16年に見せた可能性は何処へ

16年に見せた長距離砲としての可能性は、メジャーに適応するための変化の中でスポイルされてしまった様な印象を受ける。

ポジティブな特徴として挙げた4シームへの強さに関してはそのままなのだが、アプローチの改善と同時に、いくつか尖った部分が丸くなり、結果特徴の少ない平均以下の打者になってしまったという感じだろうか?

変化球への対応は以前から苦手としており、16年の成績は4シームと2シーム以外、軒並み打率1割台である。

当然17年には4シームを投じられる事自体が減り、散々な結果に終わった。

それを受けて、18年は変化球へのアプローチに重点を置いたのだろう。スイング率の向上やコンタクト率の向上が各所に見られ、2シームを除く変化球への打率は2割台に改善している。

また、相対的な本塁打比率も初めて変化球(4本)が4シーム(3本)を超えた。なお、2シームからは0本(16年2本/17年2本)。

一見、着実な成長に見えるかもしれないが、苦手分野を克服するために得意分野を削った格好となってしまったのは否めない

苦手分野が大幅に改善されるのであれば、それも有りなのだろうが……ちょっとそこは望み薄かなと……今年の数字を見る限りは感じる。

ジェフリー・マルテ (Jefry Marte) まとめ

楽天に加入したジャバリ・ブラッシュについてまとめた時にも感じたことだが、メジャーの壁に躓き、対応しきれなかった選手という印象だ。

ブラッシュ同様、マルテもポテンシャルとしては非常に高い物を持ち、環境にアジャストさえできれば十分に期待は持てるだろう。

問題は16年の形に近づけるのがいいのか、そこから2年で変化を続けた方向の伸びしろに期待するのがいいのか……

獲得時の報道などをみる限り、伸びしろに期待という方向性になりそうで、そうすると多少獲った目的と完成形がズレそうな感じがしてしまうのは素人考えなのだろう。

ともかく、シーズン中の活躍を期待したい!

本記事は、なるべくわかりやすい表面だけを切り取り、浅く広く紹介するスタイルで書いている。(深く詳細な物を書くには、筆者の能力も時間も足りない。特に能力が足りない)

そのため、ディープな層には物足りない内容となっており……そんな方には以下の記事をオススメしたい。

Jefry Marte|NPB外国人選手好きのnote
0.はじめに 10年:マット•マートン 13年:ブルックス•コンラッド 14年:マウロ•ゴメス 16年:マット•ヘイグ 17年:エリック•キャンベル 18年:ウィリン•ロサリオ 10年代に阪神タイガースがシーズン当初に獲得した助っ人外国人野手の活躍事情は、山あり谷ありの壮絶なシーズンを経てきました。 10年に加入した...

こちらは、Twitterで人気のNPB外国人好きさんがジェフリー・マルテについてまとめているノート。

興味の有る方はぜひ!

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