巨人の高橋由伸監督(43)が今季限りで辞任することが3日、明らかになった。東京・大手町の球団事務所で山口寿一オーナー(61)が取材に応じ、辞意の申し出を了承したことを明かした。チームはクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性を残すが、高橋監督は3年契約最終年の今季、優勝争いに絡めなかった責任を痛感。自ら身を引く意思を固めた。
引用元:スポーツ報知「山口オーナー、由伸監督は「非常に決意固かった」
先日、巨人・高橋由伸監督の辞任のニュースに野球ファンが少々ざわついた。
まぁ「そうなるんじゃないかな」と個人的には思っていたのだが、発表のタイミングは微妙だと言わざるを得ない。
勝率5割未満、情けない格好ではあるものの、曲がりなりにもCS争いの真っ只中なのだ。
残り2試合……待てなかったのだろうか?
もしかしたら引退試合もできなかった高橋由伸監督に対して、今回もまた全て終わってから発表のみという形になってしまうことを避けたかったのかもしれない。
しかし、それでも……なんだかなぁという感じはしてしまう。
ともかく、今回は高橋監督辞任に関して思うことを書いていく。
高橋監督の決断 監督として取るべき道を示した
大前提として今回の辞任劇、発表時期を脇に置けば仕方ないことと個人的には感じている。
就任の経緯だとか、チーム状況だとか、育成で一定の成果などなど色々あるにはあるが、就任して3年間、同一チームにブッちぎられた責任は現場のトップがとるしか無い。
むしろここで監督以下コーチ陣にも責任が!などと言い出せば、それは高橋監督がただのお飾りであったということになりはしないだろうか?
確かに、就任経緯を考えれば本当の意味で現場のトップに立っているとは言えず、周囲に頼らざるを得ない部分、またはイニシアチブを取り切れない部分があったことは確かだろう。
だが、それを理由にしてしまうのは、高橋監督に対して失礼極まりない。契約の3年を終えてまだまだ高橋監督は監督になれていないだろうと、そう言ってしまっているのと同義である。
また、仮に問題は他にあった高橋監督は続投で他首脳陣をごそっと入れ替えてバックアップ体制を万全にしたとする。それで結果を出したとして果たしてそれは高橋監督の功績と言えるのだろうか?
それならば監督など別に誰でもいいではないか。
そんな飾りの立場、誰も望んでいないだろう。
あくまで監督は現場のトップであって、その責任は自らでとる。その決断を「かわいそう」だとか「常勝は古い。目先の勝利にこだわりすぎだ」なんて言葉で汚すのはいかがなものか。
勝つことが義務付けられているのは巨人だけではないはずだ。
プロとしてグラウンドに立つ以上、勝利を目指すべきであり優勝をもぎ取る覚悟が必要だ。そういう世界なのだ。
興行とは言え、彼らはショーをやっているわけではない。真剣にペナントレースを戦い、そこで生まれるドラマで観客を魅了する。そこをあやふやにすることは、彼らの覚悟に泥を塗る行為である。
その決断を未来の成功に
私達にできることは、彼らの決断に対して称賛やこれまでの労いを感じることだ。間違っても同情ではない。
そして高橋監督の辞任にやるせない悲しみを感じている人は、こう考えてはどうだろうか?
今回の決断は未来の成功への布石だと
チーム事情によって明らかな準備不足で望んだ3年間の監督業
具体的には、外から野球を見る時間も、勉強をする時間も、人脈を築く時間も無かったわけだ。
そして、ここで続投したからと言ってその準備不足が変わるわけではない。
実戦経験によって勉強の部分はどうにかなるかもしれないが、他2つはどうにもできない。
契約の満了を一度目のチャンスと考えれば、結果が伴わない契約更新は二度目のチャンスとなる。これまでの実績、貢献、タイミングなど色々な要素はあるが、チャンスは無限に与えられるものではない。
明らかな不足を感じたまま二度目のチャンスを使ってしまう必要は無いのだ。
高橋監督本人にその気があるかどうかは定かではないが、この時間を一度目にできなかった準備の時間と捉えれば辞任の決断は必ず生きてくる。
もしかしたら本人はもう懲り懲りだと思ってるかもしれないが……
私個人としては、万全の状態でチームを率いる姿を数年後に見せてくれると期待している。
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