久々の新規投稿。
もう思いつきでテーマの変更なんてしない……。
さて、ほぼ網羅した新外国人選手の特集だが、後三人残っていた。
ヤクルト・マクガフ、巨人・クック、阪神・マルテの三人が……
その中から今回は、ヤクルトの新外国人選手、スコット・マクガフについて取り上げる。
前ロッキーズ傘下のマクガフ獲得を発表
ヤクルトは25日、来季の新助っ人としてロッキーズ傘下のスコット・マクガフ投手、ダイヤモンドバックス傘下のアルバート・スアレス投手の2選手と契約を結んだと発表した。背番号はマクガフが「37」、スアレスが「70」に決まった。(全文はリンクから)
【ソース:FullCount】
ヤクルトの新外国人選手としては、個人的にスアレス兄の方を注目していることもあってノーマークの選手。
既にオープン戦でいくらか投げているので、そちらを混ぜて見ていこうかとも思ったのだが、それでなくとも長くなりがちなのが当ブログ。
今回はあくまで前評判を中心に見ていこうと思う。
スコット・マクガフ(Scott McGough)基本情報
守備 | 投手 |
投/打 | 右/右 |
歳(生年月日) | 33歳(1989/10/31) |
身長/体重 | 180cm/86kg |
所属 | ロッキーズ傘下 |
通算成績
- 【メジャー通算(15)】
6登板/6.2イニング/防御率 9.45 - 【マイナー通算(11-18)】
267登板(5先発)/397イニング/370奪三振/防御率 3.85 - 【2018シーズン(3A/PCL)】
43登板(1先発)/71.1イニング/81奪三振/防御率 5.55
選手経歴
08年のドラフト46位でパイレーツに指名されるも契約せず大学へ。
その後、11年のドラフト5位(全体164位)でドジャースに指名され契約。
12年途中にネイサン・イオバルディと共にマーリンズにトレードされている。(この際の交換相手はハンリー・ラミレスとランディ・チョート)
14年はトミー・ジョン手術を受けた影響で全休。
15年8月にメジャー初昇格を果たすも結果を残せず7日間で降格。
16年4月にロースターを外れ、ウェイバー公示。オリオールズが獲得し17年オフにFAとなった。
17年11月にロッキーズとマイナー契約を結び、18年12月18日にリリース。
18年12月15日、東京ヤクルトスワローズと契約となった。
スコット・マクガフ(Scott McGough)プレー動画
マクガフのまとめ動画。
最初はオリオールズ(16-17年)での投球のようだが、公式戦での出場記録は無いのでオープン戦だろうか?
次にマーリンズ(15年)での投球。そしてロッキーズ(18年)が少しあって後半はいつの投球か不明。
わかるのはナチュラルにシュートするツーシームが武器だということくらいだろうか。
スコット・マクガフ(Scott McGough)制球と球種
制球について
- 【メジャー通算(15)】6.2イニング 4四球 BB/9(5.40) BB%(11.4%) K/BB(1.00)
- 【マイナー通算(11-18)】397イニング 141四球10死球 BB/9(3.2) BB%(8.2%) K/BB(2.62)
- 【3A通算/両(13-18)】167.1イニング 68四球1死球 BB/9(3.7) BB%(9.2%) K/BB(2.32)
メジャーでの6登板は散々だったが、マイナーでの成績は可もなく不可もなく。
15年の6登板しかメジャー経験が無いため、詳細なデータに欠けるが、15年の時点では投球マップも典型的な対角型といった感じ。
速球に限っては、それなりに高低を狙うコントロールは持つものの、変化球のコントロールについては期待薄。
特にチェンジアップは使い物にならなかったようだ。
精密なコントロールではなく力で押すタイプと現時点では考える。
しかし、17年以降、マイナーでの奪三振率が良化しているので、何かしら成長があったのかもしれない。
主要球種一覧
球種(球数) | 最高球速(平均) | 備考 |
4シーム(100) | 154(151) | シュート変化 |
スライダー(38) | 143(135) | 小さなカット軌道 |
チェンジアップ(6) | 142(142) | 小さなカット軌道 |
主要球種詳細
データ不足の為、動画で確認できた範囲での感想とスカウティングレポートなどから引っ張ってきた詳細になる。
【4シーム】
投球のほとんどを占める主軸となるボール。
メジャーでは、ツーピッチどころかコレ一本だったと言ってもいいだろう。
4シームと表記されているが、シュート変化するムービングボールである。
メジャーでは、他の球種が全く通用しなかったこともあってか、お世辞にも結果を残せたボールとは言えない。
【スライダー】
小さなカットアクションを持つスライダー。
空振りを取るボールではなく打ち損じを誘うボールとなるのだろうが、残念ながらメジャーでは有効的とは言えなかった。
制球はストレートに比べるとかなり不安。
【チェンジアップ】
こちらも小さな変化のボール。
15年の時点では制球が不安どころの話ではなかったようで、ほぼ使わず。
【球種まとめ】
メジャーではツーピッチどころか、ほぼストレート一本。
シュート変化する直球で、どれだけゴロを打たせるかという印象だ。
その他の成績を併せてみても、この状態では少々不安と言わざるを得ない。
マイナーでは17年以降、奪三振率の良化が見られることから、そこに何かしらの成長があったと考えられる事がプラス材料といえばプラス材料。(15%前後だったK%が25%程度に上昇)
しかし、日本でここまでに登板したオープン戦(3登板)のデータを漁ってみた限り……正直それほど変化は見られていない。
試合によってスライダーorカットだったり、スプリットorフォークだったりと表記に違いはあれど持ち球にそれほど変わりは無く、ストレート偏重のスタイルも同様である。
ポジティブな特徴
直球に確かな威力は感じる
高校まではショートのスター選手だったようで、本格的に投手としてのキャリアをスタートしたのは大学から。
それもあってか投手としての完成された物は無く、直球の威力に頼ってメジャーリーグまで這い上がっている。
逆に言えば、直球に関しては確かなものを持っており、あと一つ何か武器を……という伸びしろの部分に期待され続けた選手と言えるだろう。
17年からは奪三振率が良化
16年までのマクガフは、奪三振率に乏しく、50%前後のGB%を売りとする中途半端なグラウンドボールピッチャーであった。
数字で言えばK/9の値は5~7、K%は15%前後である。
それが、17年からは大幅に良化している。17年は2Aと3Aで計55.2イニングを投げ、K/9:9.86、K%:24.7%
18年は3Aで71.1イニングを投げ、K/9:10.22、K%:25.7%を記録した。
これがどんな理由で良化したのかは、わからなかったが、数字が伸びているのは事実。何かしらプラス材料が増えていると見ていいはずである。
ネガティブな特徴
ストレート以外に売りが見えず
データ不足ではあるが、現時点で見える範囲にストレート以外の売りは見当たらない。
奪三振率の良化からは、空振りの取れるボールでも増やしたのか、もしくは変化球の精度が上がったのかと考えたのだが……今のところはそういった様子は無い。
しかし、元々直球の威力は持ち合わせていたとしても、それだけでは突然奪三振率が良化するとも思えず……
まだ隠しているだけ?とも考えたのだが、選手としての優先度を考えると開幕一軍を保障されているわけでもないことから考えづらく……
これ以上は今後、実際に投球を見ながら答え合わせとするしか無さそうだ。
スコット・マクガフ(Scott McGough)まとめ
前回のエップラー同様、データに乏しく中途半端な内容になってしまって申し訳ない。
一先ず、現時点で見えている物から判断すれば保険のリリーフ投手といったところ。ロングや谷間の先発といったオプションも考えづらく、中々厳しそうな印象は拭えない。
しかし、入団二年目にマーリンズのファイアーセールの一幕とは言え、ハンリー・ラミレスとのトレードに絡んでいる事や16年に引き取り手が見つかっていることなどから考えて、見るべきものがある選手であったことは確かだろう。
17年から見せている奪三振力の覚醒が、その期待された伸びしろ部分を埋める物であるとすれば、予想外の活躍となるかもしれない。

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