昨年在籍した外国人選手5人中4人が残留。
それぞれ健康面・安定感などに不安があるとは言え、年俸的にも期待値的にも高い助っ人が揃ったオリックス。
シーズン終了後早々に3A二冠王のメネセスを獲得し、枠の関係も考えるとこれ以上の獲得は無いかもなんて思ったが、プラスワン。
前パイレーツのエップラー獲得を発表
オリックスは15日、新外国人選手として昨季までパイレーツ傘下3Aインディアナポリスでプレーしたタイラー・エップラー投手を獲得したことを発表した。背番号は「42」。(全文はリンクから)
【ソース:FullCount】
主力級の選手で外国人枠は埋まっているが、FAで西、さらに契約がまとまらず金子・中島といった主力選手が流出し、補強が急務であったことも、また事実。
ディクソンやアルバースが昨季終盤に離脱していることも踏まえると、当然といえば当然の獲得だろう。
在籍助っ人のNPBでの実績を考えると、一先ず保険的な立ち位置にはなるのだろうが、メネセスと同じくメジャー経験無しで3A成績良好な若手。
保険+先を見据えてと、実にバランスのとれた形が作れているように感じる。
とは言っても求められるのは結果であって形ではない。今回は、その新助っ人「タイラー・エップラー」について詳細を見ていこう。
タイラー・エップラー(Tyler Eppler)基本情報
守 | 投/打 | 歳(生年月日) | 身長/体重 | 所属 |
投 | 右/右 | 30歳(1993/01/05) | 196cm/104kg | パイレーツ傘下 |
通算成績
- 【マイナー通算(14-18)】
111登板(100先発)/592イニング/418奪三振/防御率 3.82 - 【2018シーズン(3A/IL)】
28登板(25先発)/153イニング/118奪三振/防御率 3.59
選手経歴
メジャー経験無しの若手長身右腕。14年のドラフト6位(全体191位)でパイレーツに指名され契約。
先発投手として順調にマイナーの階段を登り、4年目となる17年には招待選手としてスプリングトレーニングに参加。その年は3Aで全シーズンを過ごしている。
翌18年も3Aで1シーズンを過ごし、安定した結果を残した。
しかし、チーム編成上の壁や奪三振力などを含めた支配力への物足りなさなどから、ルール5ドラフトの前にロースター昇格することも無く、NPB行きの決断となったようだ。
NPBで結果を残し、数年後の米復帰を目指したい。
2019/01/15 オリックス入団と報道
【ソース:デイリー】
タイラー・エップラー(Tyler Eppler)プレー動画
オリックスがPITのタイラー•エップラー(26)を獲得。196cm 104kgのテクニカル右腕。平均144-148㌔のFB(FA&FT)、130㌔台後半のCT性質のSL、120㌔前半の空振りを奪う縦のCB、左打者対策のサークルCHを投じる。低め及び左右へのコマンドに優れ(AAA通算2.24BB/9)、18年ILでは13勝 3.59ERA 3.03K/BBを記録。 pic.twitter.com/XsPzAOF7O8
— NPB外国人選手好きのtweet (@CPMMAF) 2019年1月15日
NPB外国人選手好きさんのツイート動画。
長身からの圧倒的な威圧感……という感じではないが、ゾーン内を広く使う投球で常にストライクカウント先行となるのが最大の持ち味のようだ。それなりにまとまった印象は受ける。
ORIX BUFFALOES Spring Training Feb.9 #42 タイラー・エップラー (Tyler Austin Eppler) #プロ野球 #春季キャンプ #オリックスバファローズ #エップラー #ORIX pic.twitter.com/QOMV4o3Fyy
— roughtice (ラフティス) (@roughtice0123) 2019年2月9日
春季キャンプのブルペンの様子。
タイラー・エップラー(Tyler Eppler)制球と球種
制球について
- 【マイナー通算(14-18)】592イニング 133四球3死球 BB/9(2.0) BB%(5.4%) K/BB(3.14)
- 【3A通算/IL(17-18)】289.1イニング 72四球3死球 BB/9(2.2) BB%(5.8%) K/BB(2.97)
メジャー経験が無いため、考察できるほどの投球ゾーンデータは見つからなかった。いくつかの映像を見る限り、ビシビシとコースに投げ分けるほどの制球力では無さそう。
だが、数字を見る限り、四球は非常に少なく、常にストライクを投げられる投手のようだ。K/BBの値に関しても悪くなく、支配力の物足りなさからメジャー昇格が遠かったと前述したが、本当にあと少し、もう一つ何かあればといったところであったように感じる。
主要球種一覧
球種(球数) | 球速 | 備考 |
4シーム・2シーム | 144-148 | 低め両サイドへ散らす |
スライダー | 135-138 | カットのような軌道 |
カーブ | 122-125 | 空振りを生む沈む軌道 |
チェンジアップ | 135-138 | 対左に使われる |
主要球種詳細
詳細なデータが無く、マイナーでの各批評などから引っ張ってきた。
【4シーム】
ストライクゾーン内に散らし、カウントを稼ぐような使い方になるようだ。それ一つで勝負できるわけではないため、捕手との呼吸も鍵となってきそう。
【スライダー】
ハードカットのような鋭く細かい変化。空振りというよりは、打ち損じを稼ぐボールとなる。
メジャー昇格への壁として懸念されていた要素の一つに、ゴロ割合の低さ、フライ割合の高さが挙げられていた。そのため、このボールの出来がNPBでの成功、ひいてはMLBへの切符となるのかもしれない。
【カーブ】
最近は成功する助っ人投手の1要素ともなっているカーブ。
と言ってもなんだか種類が沢山あってなにがなんやらわからないのだが……エップラーのカーブは一般的な深く沈む軌道のようだ。
スイングを誘い、空振りを狙う球種。
【チェンジアップ】
対左に使われる球種。
【球種まとめ】
データ不足であまり参考にならない紹介となってしまって申し訳ない……。正直言って、NPBで投げてみての評価となるだろう。
ポジティブな特徴
常にストライク先行でゲームを作れる
マイナーでの4年間、常に2前後で推移しているBB/9を見る限り、常に安定してストライクを投じることができると考えていいだろう。
また、怪我や故障といった目立った離脱も無く、タフなイニングイーターとして期待できそうだ。
チーム事情が許せばロングリリーフやスポットスターターとしての役割を与えても面白いかもしれない。
26歳と若く伸びしろにも期待
チーム事情やルール5での引き合いが無かった等、日本行きの材料は幸か不幸か揃ってしまったわけだが、それでも多少の驚きをもって迎えられるクラスの選手。
実際、MLBクラスでプレーする準備はできていると評価する声もあったのだ。その上、26歳と若く伸びしろにも期待が出来、メジャーへの逆輸入もあるだろうと既に米メディアでも取り上げられている。
ネガティブな特徴
あと一歩、なにか一つ物足りない印象
数字は残したが、決め手にかけたのかメジャーからの引き合いが無かった。大きな特徴を持たない為、跳ねる予測はしづらい。
平均球速がもう少し速いだとか、グラウンドボーラーとして頭角を表すだとかしていれば話は変わってきたのだろうが……。
環境も変わる事で新しい何かを掴むことに期待したい。
タイラー・エップラー(Tyler Eppler)まとめ
それではまとめに入ろう。
伸びしろに期待の若手右腕。
とは言っても、3Aで中々の結果は残している。現状持っている物だけでスイスイっと勝ち星を重ねてしまう事もあるだろう。
ただ、やはりこの若さでNPBという新しい環境に飛び込むのだから、新しい武器を一つ二つ身につけて数年後MLBへ凱旋!といったストーリーも含まれているはずだ。
冒頭にも書いたが、オリックスの助っ人事情は他球団と比較しても充実している。狭い枠の中でハイレベルな競争となりそうだ。
まずはチーム内の競争に勝利できるような結果を残し、シーズンオフにはMLB複数球団が興味なんて報道で湧くことを期待したい。

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