【2019 ロッテ】新外国人 レオニス・マーティン【特徴や成績】

千葉ロッテマリーンズが新外国人『レオニス・マーティン』を獲得!

メジャー通算126盗塁を誇る走力に、通算58本塁打とパワーも備え、13年から18年はMLBのセンターで常にUZRプラスを記録するなど守備にも定評有り。

ちなみに17年オフには、阪神の助っ人候補として報道されたこともあります。(この時はタイガースはタイガースでもデトロイトに決まりました)

しかし、てっきりロッテ最後の一枠は、育成・茶谷健太の昇格で使うと思ってたので驚きました。ロッテフロントも少し本気で球団経営をやり始めたという事でしょうかね?

ロッテは14日、インディアンスからレオネス・マーティン外野手を獲得したと発表した。マーティンはキューバ出身で右投げ左打ちの外野手。今季インディアンスでは65試合に出場し、9本塁打を放っている。

全文はFullCountで

今回は千葉ロッテマリーンズの新外国人『レオニス・マーティン』の成績や特徴についてまとめていきます。

レオニス・マーティン(Leonys Martin)基本情報

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投/打歳(生年月日)身長/体重所属
右/左36歳(1988/03/06)188/90インディアンス
成績
  • 【メジャー通算(11-19)】770試合 2792打席 58HR 126盗塁 打率 .244 OPS .668
  • 【3A通算(11-12,15,17,18/PCL)】195試合 894打席 25HR 46盗塁 打率.311 OPS.854
  • 【メジャー(18年)】84試合 353打席 11HR 7盗塁 打率.255 OPS.747
  • 【メジャー(19年)】65試合 264打席 9HR 4盗塁 打率.199 OPS.619

選手経歴

  • 【2005年】キューバ国内リーグに所属
  • 【2007年】07-08シーズンに打率.398を記録
  • 【2009年】WBCキューバ代表に選出
  • 【2010年】9月に行われた世界大学野球選手権大会に出場し、決勝戦終了直後に亡命(メキシコへ)
  • 【2011年】5月に国際アマチュアFA選手としてテキサス・レンジャーズと契約
  • 【11年】9月2日にメジャー初出場(この年は8試合の出場で残りは2A-3A)
  • 【2012年】開幕は3A。6月に昇格し、その後3Aと行ったり来たりしながら24試合出場
  • 【2013年】メジャーで開幕を迎え、5月以降はセンターでの定位置を獲得
  • 【13年】147試合 508打席 119安打 8本塁打36盗塁 打率.260 OPS.698
  • 【2014年】155試合 583打席 146安打 7本塁打 31盗塁 打率.274 OPS .689
  • 【2015年】8月に3Aの試合で右手有鉤骨骨折し離脱
  • 【15年】打撃不振に怪我の影響もあり、95試合の出場に留まった。
  • 【15年】オフにトレードでマリナーズへ移籍
  • 【2016年】143試合 576打席 128安打 15本塁打 24盗塁 打率.247 OPS.684
  • 【2017年】開幕から打撃不振で4月23日にDFA、27日にマイナー契約を結び傘下3Aへ
  • 【17年】3Aでは88試合で11本塁打 25盗塁 打率.306 OPS.838の数字を残し、7月30日にメジャー昇格
  • 【17年】8月23日に再びDFAとなり、25日にマイナー契約
  • 【17年】8月31日にシカゴ・カブスへトレード移籍。カブスでは15試合16打席2安打と奮わず。
  • 【17年】オフにFAとなる
  • 【2018年】デトロイト・タイガースと契約
  • 【18年】左ハムストリングスを痛め二度の離脱
  • 【18年】離脱がありながら7月31日までに78試合 336打席 76安打 9本塁打 打率.250 OPS.731
  • 【18年】7月31日、トレードでインディアンスへ移籍
  • 【18年】移籍後、深刻な細菌性感染症で入院。そのため6試合の出場に留まった
  • 【2019年】細菌性感染症から復帰するも65試合で打率.199と奮わず。6月22日にDFA、27日にリリースとなった
  • 【19年】7月14日、千葉ロッテマリーンズと契約

レオニス・マーティン(Leonys Martin)プレー動画

2018年オフに公開されたMLB公式からの動画。

動画を見る限りはローボールヒッター、プルヒッターといった印象。

そしてこれぞメジャーといった外野守備。

おなじみNPB外国人選手好きさんのツイート動画。

入りがとりあえずカッコいい。センターゴロやホームスチールといったなかなかお目にかかることの出来ないプレーが入っています。

ちなみにホームスチールは今年6月の試合でのプレーです。

レオニス・マーティン(Leonys Martin)守備・走力

守備について

《守備経験》(上からメジャー経験の多い順に)

  • 【センター】M:5693 Inn/Mi:1724 Inn
  • 【ライト】M:250 Inn/Mi:53.1 Inn
  • 【レフト】M:62.2 Inn/Mi:99.1 Inn

※M=メジャー/Mi=マイナー/Inn=イニング

《守備指標》

  • 【センター】M:UZR/150=8.8 守備率.988 Mi:守備率.974
  • 【ライト】M:UZR/150=19.6 守備率1.000 Mi:守備率1.000
  • 【レフト】M:UZR/150=-13.1 守備率1.000 Mi:守備率.958
  • 【2019 センター】UZR/150=-9.1 565.1 Inn

メジャーで9シーズン、守備の要であるセンターを守ってきただけあって中々化け物じみた数字を残している。

レフトについては、UZRマイナスとなっているものの、イニングの少ないライト共々参考程度に

ここにはUZR/150しか載せていないが、細かいARMやRngR、ErrRなどの数字もほぼプラスを記録しており、弱点らしい弱点は見当たらない。

気になるのは今季2019シーズンの数字が悪いこと。詳しくは後述するが、18年8月に深刻な細菌性感染症を患い、今シーズンはその復帰シーズンであったことから、コンディションの問題があったと予想される。

守備率は.993と堅実な部分は変わりなく、コンディションがどこまで戻っているかという部分がポイントとなりそうだ。

走力について

年度Ft/s(m/s)順位(MLB)盗塁
201927.2(8.3)2205
201827.5(8.39)2427
201727.5(8.39)2447(25)
201627.4(8.36)24424
201528.1(8.57)12514

2017年の盗塁数、括弧で括っているのは3Aでの成績。

参考記録として、以下に今季NPBに加入した選手の記録を

選手(年度)球団Ft/s順位(MLB)
J.マルテ(2018)阪神26.7346
C.ビヤヌエバ(2018)巨人25.7452
J.ブラッシュ(2018)楽天27.2
K.バルガス(2017)ロッテ25.2

純粋なスピードは、31歳という年齢もあってとんでもなく早いと言う程ではない。MLB平均より少し上という辺りだが、ベースランニング能力は健在。前項のプレー動画にあったホームスチールは、今季の6月のプレーである。

年度別打撃成績

打席打数OPSISO
201188.3753100010.875.125
20125246.17485204123.605.196
2013508457.26011921682810436.698.125
2014583533.27414613773911431.689.090
2015310288.219631205166914.576.094
2016576518.247128173154414924.684.131
2017138128.172223138337.513.109
2018353318.255811531130777.747.170
2019264236.1994770921784.619.144
通算27922532.244617942258190637126.668.123

通算のBB%(6.8%)、K%(22.8%)

※BB%=四球率、K%=三振率

※率=打率/安=総安打数/ニ=二塁打/三=三塁打/本=本塁打/四=四球/振=三振/盗=盗塁

打撃成績まとめ

走力が高く、パワーもある。

俗に言うフィジカルモンスターやアスリート型と言われるタイプの選手をイメージして良いだろう。

技術的には全体的にやや粗く、低めにツボを持ったプルヒッター。

4シーム、2シームといった速球への反応は良好も変化球全般への対応を苦手としている。近年はパワー寄りにシフトしつつあるが、13年・14年には二桁のバントヒットを記録するなど小技にも定評あり。

また、メジャーでは粗さが目立つが、17年に不調で長く3Aに在籍した際には、88試合で打率.306の成績も残している。

ポジティブな特徴

 

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メジャーで9年間センターを務めた実力は本物

レオニス・マーティンのストロングポイントと言えばやはり守備。

広い守備範囲に強肩を兼ね備え、メジャーでの出場はほぼセンター。そこで残した守備指標には素晴らしい数字が並ぶ。

18年に深刻な細菌感染症を患い、今季はそこからの復帰イヤーということもあってかイマイチの指標となっているが、コンディションが整いさえすればメジャートップクラスの守備を見せてくれるだろう。

メジャー126盗塁を誇る走力

13-14年には30盗塁を超え、17年にも(3Aではあるが)88試合で25盗塁を記録している。

18年は84試合で7盗塁、今季は65試合で4盗塁と減少傾向にあるが、紹介した動画にあるホームスチールを敢行できるのだから、期待は膨らむ。

粗さはあるがパンチ力◯小技◯

基本的には守備がストロングポイントであり、突出した打撃技術が有るわけではないが、16年~18年は2桁の本塁打を記録するなどパンチ力は高い。

特に今季は打率こそ低調ながら、65試合264打席で9本塁打と中々のモノ(阪神のマルテが18年209打席で7本塁打)。

走力が高い為、コンスタントに三塁打も記録している。

また、キューバリーグ出身というだけあってバントヒットなどの小技も得意としており、13-14年には2桁のバントヒットを記録。井口監督がどういった野球を思い描くかにもよるが、戦術の幅は広がりそうだ。

ネガティブな特徴

2018年に離脱し本調子には遠い……?

詳細な病名については不明だが、2018年8月7日から重度の細菌性の感染症を患い、一時は生命の危機まで陥った。

13日には容態が安定したと報道され、15日には集中治療室を出ることが出来たようだが、この感染症により18年残りのシーズンは離脱。

報道によれば、18年8月中盤の時点で回復は順調も心臓やその他の臓器が完全に回復するまで1-2ヶ月と予想されていた。つまり、昨年の10-11月あたりまでは病気の療養、その後プロアスリートとしての能力を取り戻すトレーニングに入ったと仮定すれば、完全に状態を戻しているとは考えづらい。

そういった部分が今季の不調ということで数字に表れ、裏を返せばコンディション次第でまだ上があると考えていいかもしれない。ポイントはどこまで状態を上向きにできるかといったところだろうか?

打撃に関しては基本粗い

コンディション面が最も大きいポイントとなりそうではあるが、それはそれとして……

前項でも触れているが、打撃に関して。

プルヒッター寄りのローボールヒッター(寄り)。広角に打てない程ではないし、高めが全くダメというわけでもない。ただ、その傾向が強い。

速球系を得意としており、変化球への対応はイマイチ。

また、アプローチは全体的に粗い。本塁打か三振かという激的な粗さはないが、ミドルヒッターとしてみた場合には確実性に欠ける数字が並ぶ。

MLB通算打率は.244、出塁率.301、K% 22.8%(今季は29.5%)、BB% 6.8%とどれもMLB平均より少し悪い。

つまり、変化球対応以外は大きく不安という程でも無いが、殊更取り上げるほどのストロングポイントも見えない。以下に少し数字を

球種への対応

球種通算打率19年打率通算ISO
4シーム.275.238.120
2シーム.311.344.106
CH.207.133.157
SL.186.140.148
CB.193.111.137
CT.193.308.055
SF.191.000.131
19年打率はサンプル数が少ないので参考程度。特にスプリットやカットについては100球に届かず、それぞれ21球と66球のサンプル。
CH=チェンジアップ/SL=スライダー/CB=カーブ/CT=カット/SF=スプリット

ゾーンへの対応

内寄りの真ん中~低めの通算打率は3割を超え、一部4割近い。が、真ん中~内寄りの高めは2割前半。外は高低に関わらず2割後半を記録。

イメージ的には内寄りを思いっきり引っ張る感じだろうか?記録した本塁打の殆どはセンターから右。といっても外寄りを本塁打にしていないわけではなく、外でも引っ張ってスタンドインが可能、しかし確実性は落ちる。

ゾーン内で最も苦手と言えそうなのは、通算の空振り率が高い外角高め。4シームに限れば空振り率21.9%、次いで真ん中高めの20.9%。

ボールゾーン含めて全体的にスイング率が高く(通算ボールゾーンスイング率34.1%)、どこまでゾーンを絞っていけるかがポイントとなってきそうだ。

逆に相手投手としては内は極力ストライクコースを避け、外寄りの高め速球もしくはボールゾーンへと落ちる球で組み立てるのが良さそうだ。

途中加入の壁は高い

この点については阪神・ソラーテでも書いたので、興味があればそちらを……

といっても大した話は書いていない。端的に言えば投手よりもやることが多く、対応する時間が足りないとだけ。

レオニス・マーティン(Leonys Martin)まとめ

コンディション面や環境へのアジャストといった部分は当然必要ではあるが、実戦での情報収集にどうしても時間が必要な打撃面以外に、確かな守備力と走力を持っているマーティンは、それだけで価値が見出せる、

打撃面に関しては徐々に慣れながら最低限の出塁率とたまの長打さえあれば、十分ロッテの新しい攻撃オプションとして機能するはずだ。

荻野と恐怖の1-2番コンビを組み機動破壊を見せてくれても良い、下位打線の起点や意外性の一発を期待して後ろに備えるのも有りだろう。

打撃に関してのネガティブポイントをつらつらと書きはしたが、正真正銘のメジャーリーガー。3Aでは打率3割を記録していた事もあり、上手くハマれば大活躍なんて事も当然考えられる。

一部報道では、26日から一軍合流などと報道されていたが、どうなるだろうか?

ともかく後半戦開始から、少々停滞気味なロッテへの強力なカンフル剤として機能してくれることを個人的には期待している。

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