オールスター第一戦は6-7でオールパシフィックの勝利で幕を閉じた。
実戦から遠ざかっていた中日【松坂 大輔】が初回から5失点と一時はどうなることかと思ったが、オールセントラルも2回に3点、3回に2点と、しっかり食らいつき最後まで白熱したゲームを展開してくれた。
MVPは初回3ランを含む2安打を放った西武【森 友哉】が獲得!
MVPを獲得した森は当然ながら、西武【秋山 翔吾】の先頭打者HR、DeNA【筒香 嘉智】の同点に追いつく2ランHRなど印象に残るシーンはいくつもあったが……
今日は巨人【小林 誠司】の最後ゴッソリ持っていった感は否めない。
事件は1点ビハインドの9回2アウト ランナー無し、正に土壇場で起きた。
1ストライクから増井の投じた151キロをフルスイング。
5月6月に繰り返した残念なスイングとは別人のような完璧なスイングでいい形で上がった打球、ファンが沸き、味方ベンチも総立ちになった。
誰もがこれはいったか!?またやらかした!と思ったことだろう。
私もそう思った。何かやらかしてくれるような期待を持って皆見ていただろうから尚更である。
だが、残念……京セラDは広かった!
打球はスタンドまで一歩届かず左中間フェンス上段へと直撃、同点弾未遂の二塁打となる。
打たれた増井は苦笑い、ベンチではロペスとバレンティンが両手を広げなんてこったと囃し、會澤も笑顔でパワーだパワー、パワーが足りないというようなジェスチャーを見せていた。
勿論入っていれば文句なしのヒーローであったろうが、これはこれで強烈に記憶に残るシーンとなっただろう。
実に小林らしいというか、エンターテイナーと言うか……
世界のKOBAYASHI、お祭り男の真髄を見せた一打であった。
しかし、こうなってくると本当に普段のペナントレース「もう少しなんとかならないもんか」と思えてくるのもファンの性である。
そこで、過去の記事を宣伝すると共に、後半戦に小林誠司が復活するためには何が必要か考察してみる。
4月には、一時首位打者にも立ち、その片鱗は見せていた。5月6月に元に戻るどころか強烈なリバウンドも見せたが……シーズン中だって問題なく打てると結論は出ている。
結局の所、これまで二度に渡ってブログに書いた終わりのない泥沼のような悪循環が小林を掴んで離さないのだ。
小林が結果を残すときは、積極的な打撃スタイルを見せている時だ。多少強引でも、ギャンブルでも決め打ち・早打ちを制限せずブンブン振り回している時だ。
詳しいデータや分析などは興味があったら過去の記事を見てもらうとして(アホほど長いので注意)
ともかく、消極的な粘り・当てるという打撃スタイルが顔を出すと目も当てられない惨状となる。
にも関わらず、結果が出ず守りに入るとどんどん消極的なスタイルに流される。そのスタイルでは良くて2割なのだから当然結果は上向かず、良くならないから積極的なスタイルにも戻れないという泥沼にハマる。
勿論、そういった打撃の波を極力減らし安定して結果を残せるように工夫していくのがプロの選手で技術ではあるのだが、一方で波がありながらも試合に出続ける選手もいる。
例えば同じ巨人で言えば長野や陽なんかは、悪いときは悪い部分がモロにでてしまう打者だろう。
彼らは例えそうなったとしても、無理にスタイルを変化させない。
クソボール振りやがって!もういらん!引っ込め!若手を使え!などと散々酷評されながら、なんだかんだやっぱり頼りになるね!なんて手のひら返しをさせてくれる選手達だ。
自らの長所、行き着く先を良く知り、自信を持っているから周囲の声にブレないのである。
つまり、今の小林に最も必要な物は明確な自身のスタイルを持つ事とそれに対する確固たる自信だと言えよう。
これを言うと首脳陣批判に向いてしまう事が多々あるが、ハッキリ言ってこれは小林自身の問題だ。新人や1.5軍の選手であれば自信を持たせるための使い方云々という話もあろうが、既に二年正捕手を努める小林はその次元にいない。
結果が出なければ叩かれるのがプロだ。雑音の多い巨人では、確かにその量は多いだろうが、どこの球団に行ったとしてもそれは変わらない。
その時に一々周囲のフォローがなければ乗り越えられないというのであれば、遅かれ早かれ脱落してしまうだろう。レギュラークラスまで来てしまえば自分で乗り越えるしか無いのだ。
そういった柵から解放されたオールスターで、自らの長所をこれでもかというほどに見せる小林。願わくば、これをお祭り、奇跡などと捉えずにペナントでも自信を持って取り組んでいってくれることを期待したい。
しかし、その前に今日の第二戦、昨日ホームランになり損ねた鬱憤を晴らすような活躍を期待するとしよう。
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