【5/19 復帰予定の報道が出たので追記】
巨人は中日との3連戦を2勝1敗で終え、開幕から2カード勝ち越しを決めた。
だが、それよりも3日の試合で死球を受け離脱した陽岱鋼の穴埋めが目下の課題となっている。
4日は長野がセンターを勤め、ライトに中井、5日はセンター立岡、ライトに2軍から昇格した亀井を配置したが、決め手にかけると言うのが正直な印象である。
春のキャンプでは、若手の台頭を期待して一度は空けたセンターを結局は陽岱鋼が守っていたのだから、当然と言えば当然なのだが……
ともかく、陽岱鋼はこの先当分いないのだ。
今回は、この先の可能性と展開について少し書いていく。
∇ 陽岱鋼の復帰時期について
怪我の程度は?
報知新聞の報道によれば怪我は全治6週間程の見通しであるようだ。
ちなみに「全治」とは、病院への通院が必要な期間で、完全に治った状態の「完治」とは違う。
陽岱鋼の負った「左手甲の骨折」とは、一般に「中手骨骨折」と呼ばれる物で、固定が4-6週間必要と言われている。報道と照らし合わせれば、平均的ではあるが比較的重い症状であるようだ。
今後の見通し
陽岱鋼は今後、6週程で通院を終え、その後復帰に向けてリハビリと調整をすることになる。報道では5月下旬頃の復帰を目指すとあるが、これは恐らく最短で8週ということになるのだろう。
最近のリハビリ技術は高く、骨折後数日でトレーニングも可能(実際既に三軍に合流している)とは言っても、バッティング練習などの直接負荷のかかる練習は、早くとも完治後になるはずだ。
春に2ヶ月、いや自主トレも含めれば3ヶ月近くかける調整を2週間でというのは、中々にタイトな話である。
陽岱鋼が復帰を目指す、5月下旬と言えばペナントが大きく動く交流戦のスタートだ。確かに、そこに合わせて復帰してもらえると心強いのだが、交流戦明けになる可能性も覚悟しなければならないのは間違いない。
∇ 陽岱鋼の代役は誰に
候補に上がるのは……
さて、最低でも2ヶ月近くは陽岱鋼不在で回していかなければいけないのだが、代役は誰になるだろうか?
現在、1軍にいるメンバーでセンターを任せられるのは長野、立岡の2人。だが、長野は膝に爆弾を抱えているし、昨年から調子もイマイチ上がっていない。もう一人の立岡にしてもポテンシャルは高いのだが、守備・打撃ともに粗さが目立つ。
かといって二軍を見ても、現在メインでセンターを守るのは、昨年支配下に上がった青山と、今季育成でありながら1軍キャンプに帯同した松原の実績0の若手コンビだ。チームに余裕のある状態であればまだしも、この緊急事態に当てにするのはさすがにギャンブルが過ぎるだろう。
他に柿澤が申し訳程度に守っているが、こちらもドラフト時には投手で、入団後外野手、そして内野手に変更され、今季巨人では再度外野手登録となった選手だ。肩は強く足も早いが、一軍での外野実績、ましてやセンターなどほぼ無く、突然一軍のセンターに抜擢とはさすがにいかない。
候補などいなかった
となれば結局のところ、長野・立岡の2人で乗り切るしか無いように思う。
ファームで結果を残している松原の支配下昇格など考えられなくもないが、緊急事態に場当たり的な配置を行うとろくなことにならない……。
それでなくとも今季は内野の二つのポジションを若手に切り替えているのだ。上手い下手では無く、入れ替えによる歪みは限度を超せば崩壊する。
本来埋めるべき選手の不在
そもそも本来は、この穴を橋本到や重信が埋めなければいけないのだ。その両者は三軍でリハビリ中……。
現在試合にも出ていないようだし、情報が無い分、陽岱鋼以上にいつ帰ってくるかわからない。
こう書き出していくと、陽岱鋼の離脱は思った以上に深刻だ。現在は2カード勝ち越しを決めて好調さをアピールする巨人ではあるが、この先2ヶ月間この状態を続けるとなれば厳しい戦いになるだろう。
若手にチャンス?寝言は寝てから言って欲しい。なんなら枕も用意してあげようじゃないか。
1.5軍の選手、つまり橋本到や重信がいるのであればチャンスではあるが、松原や青山では、さすがに急過ぎる。
物事には順序ってものがあるのだ。つかめればこの上ない僥倖ではあるが、掴めなければ後退していくのも現実だ。
良いイメージを覆すのは簡単だが、一度付いた悪いイメージは早々覆せない。若手にとって急過ぎるチャンスはピンチにもなり得る。
巨人ファンとしては陽岱鋼の一日も早い復帰を願うほか無い。
∇ 【追記】具体的な復帰報道が出た
5/19 三軍戦で実戦復帰予定
複数のスポーツ紙によると陽岱鋼が19日に行われる独立リーグ(BFL)選抜との試合で実戦復帰するようだ。
そのまま早ければ25日にも一軍へとの報道もあるのだが、フリー打撃を再開したのが今月の12日である。
死球を受け戦列を離れたのが4/3であるから約一ヶ月と少しのブランクを2週間で……埋まるのだろうか?
陽岱鋼不在での代役は、ライトを守っていた長野に落ち着き、ハッキリと若手・中堅のセンター不足が露呈した巨人ではあるのだが、あまりに焦り過ぎな調整は後々割高な手数料を取られそうでもある。
できれば、何日の昇格ありきの調整ではなく、調整ありきの昇格をお願いしたい。
追記の追記
G球場
巨人3軍vs関西独立リーグ選抜
死球骨折から「1番・中堅」で実戦復帰の陽岱鋼
初回先頭打者ホームランに続き2打席連続ホームラン
今度は逆方向のライトへ— スポーツ報知・巨人取材班 (@hochi_giants) 2018年5月19日
実践復帰早々の2打席連続ホームラン。
調整ありきの昇格などと書いてしまったが……即昇格も当然かも知れない(汗
5/25 追記
一軍昇格し「7番・中堅」でスタメン出場
4回に復帰後初安打となる左前打を放った。
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