日ハムは先日、ニック・マルティネスの残留を発表していたので「後は野手かな~」なんて思っていたら更に投手の獲得が発表された。
新助っ人バーベイト獲得!26歳右腕
日本ハムは20日、前タイガースのジョニー・バーベイト投手と契約合意したと発表した。
バーベイトは26歳の右腕。2010年ドラフト6巡目でパドレスと契約。今季はタイガースで7試合に登板し、0勝0敗0セーブだったが、3Aでは33試合に登板して0勝3敗で防御率1・45、被打率・191の成績を残している。昨季はパイレーツでメジャー24試合に登板している。【スポニチ】
交渉が難航していた主砲レアードの残留は極めて厳しい状況。
今季大田と並んでチーム3位の14本塁打を放ったアルシアも退団が決まっているから、大砲タイプを連れてくるものだと勝手に思っていた。
確かに近年の日ハムは先発不足に悩まされている。そう考えるとこれはこれで有りと言われればそんな気もするが……
ともかく、新助っ人ジョニー・バーベイトのプレー動画や詳細データについて見ていこう。
ジョニー・バーベイト(Johnny Barbato) 基本情報
守 | 投/打 | 歳(生年月日) | 身長/体重 | 所属 |
投 | 右/右 | 28(1992/07/11) | 185cm/104kg | タイガース傘下(3A) |
成績 | ||||
|
選手経歴
10年ドラフト6位(全体184位)でサンディエゴ・パドレスに指名されプロ入り。
順調にマイナーの階段を登っていたが、14年6月右肘の不調によりDL入りし、そのままシーズンを終える(14年は27登板31.1イニング)。
そのオフにトレードでニューヨーク・ヤンキースへ移籍。
ヤンキース移籍後の15年、2Aを経て3Aで14登板(25イニング)、3セーブ、防御率0.36を記録。
同年11月20日40人ロースターに追加された。
翌16年にメジャーデビューし、5試合連続無失点と素晴らしいスタートを切ったが、6試合目を境に苦しい登板が続き、この年は結局13登板に終わってしまった。
17年のスタートもヤンキースで迎えたが、4月17日にウエーバー公示を経てピッツバーグ・パイレーツへ移籍。
パイレーツでは24登板(28.2イニング)、防御率4.08を記録。17年オフに再度DFAとなりデトロイト・タイガースへと移籍。
18年は右肩の不調などから二度のDL入り。メジャーでは7登板で終わってしまいオフにFAとなる。
(12/20) 日本ハムが獲得を発表【日刊スポーツ】
ジョニー・バーベイト(Johnny Barbato) プレー動画
ジョニー・バーベイトの16年まとめ動画。
空振りのとれるストレートにスライダーは、見ていてワクワクする。これだけ見れば、なぜ定着できなかったのかとそんな疑問が浮かんできてしまうだろう。
日本ハムがDETのジョニー•バーベイト(26)と契約合意。平均152.4㌔の4シームとSLを軸に、FS,CBを織り交ぜるリリーバーながら球種豊かなパワーアーム。18年AAA(IL)ではクローザーとして33試合に登板し、1.45ERA 8.9K/9 2.4BB/9 0.94WHIP 12SVと好成績。4シームの空振り率が低い点の良化に期待がかかる。 pic.twitter.com/pdcavVKxpf
— NPB外国人選手好きのtweet (@CPMMAF) 2018年12月20日
今季のプレー動画がどうしても見つからなかったので【NPB外国人好きのtweet】さんのツイートを引用。
相変わらずスライダーは切れているようだが、ストレートのノビがイマイチ感じられない。16年と比べると別人の様だ。
ジョニー・バーベイト(Johnny Barbato) 制球について
《各データ》
- 【メジャー通算(16-18)】:48.1イニング 28四球1死球 BB/9(5.2) BB%(12.6%) K/BB(1.43)
- 【3A通算/IL(15-18)】:150イニング 57四球 BB/9(3.4) BB%(9.5%) K/BB(2.68)
投球ゾーンのデータと上記の数字、どちらも少し不安だ。
直球のみで見れば細かいコントロールには期待できないまでも、それなりに安定しているが、変化球の制球は厳しい。
特にスプリットについては、17年から使い始めた新球なのだろうか?三割強が高めへ抜ける球になってしまっている。
ジョニー・バーベイト(Johnny Barbato) 球種
主要球種一覧
球種(球数) | 平均球速(最速) | 備考 |
4シーム(451) | 152(156) | 年々成績悪化 |
スライダー(189) | 140(146) | 空振り率高いが18年急降下 |
カーブ(168) | 126(137) | 安定しているが18年はほぼ投げず |
スプリット(36) | 136(140) | 制球難 |
主要球種詳細
18年は正直使い物になりそうな数字を残しているボールが無い。
だが、メジャーデビューを果たした16年の4シームとスライダーは一級品であったと言えるだろう。
【4シーム】
16年に比べ17-18年はそのスピンレートと変化量が落ちている。
- zMov:10.0→8.8→7.4
- スピンレート:2219→2005→2049
そのためか16年の【コンタクト率:76.9%】から17年【コンタクト率:86.5%】、18年【コンタクト率:94.1%】と空振りがとれなくなっている。
投球の軸となるボールであるから、ここの良化が必須だろう。
【スライダー】
4シーム程ではないが、変化量など含めて各数字が年々悪化している。
変化球の精度がそれ程高くないこともあって、18年には甘く入ったボールを痛打される場面が多かったようだ。
【カーブ】
これは良くわからず……。
揺れながら落ちる所謂ナックルカーブではあるようだ。
17年には最も光っていた球だったのだが、なぜか18年には5球しか投じていない。投球ゾーンのデータをみると、とんでもなくとっ散らかっているので、どこか感覚がおかしくなっていたのかもしれない。
【スプリット】
17年から投げ始めた球。
だからだろうか制球はかなりヤバイ。低めに決まるのは全体の半分程度で3割程は高めへと抜けている。
【球種まとめ】
メジャーデビューを飾った16年当時の映像・記録を見てもポテンシャルは高い物を持っている。が、それが段々と発揮できずにこうなったと考えるのが自然だろうか?
メジャー最終登板となった18年6月22日には肩の不調を訴えDL入りしており、そのあたりの影響があったのかもしれない。
実際、7月20日に3Aで実戦復帰し、それ以降3Aでは素晴らしい結果を残している。
しかし、メジャーで打ち込まれた春先も3Aでは同様に抑えており、単純に3Aであれば抑えられただけという可能性もあるだろう。
残念ながら7月に実戦復帰した後のメジャー登板が無く、比較材料が無い。
コレ以上の考察は実際にNPBで投げてみてとなるだろう。
ポジティブな特徴
MAXのポテンシャルは高い
15年オフにはヤンキースのトッププロスペクトとして名前が上がっていた程、期待されていた選手。
16年にはそのポテンシャルを発揮し、華々しいデビューを飾っているし、年齢も26とまだ若い。
NPBという環境の変化で輝きを取り戻す可能性は十分ある。
最新の3A成績は良好!
18年メジャーでの成績は散々に終わってしまったものの、3Aでは敵無しの活躍。
DL明けの復帰試合で少々精細を欠いたものの、それ以外は完璧な投球を見せている。
ネガティブな特徴
タフな登板には向いていない
大きな離脱は14年・肘の不調によるものくらいだが、小さな離脱はちょこちょことやっている。
18年は春先に少しと6月後半から一ヶ月・肩の不調で離脱。
年間で最も多く投げたのは、17年の50登板である。
18年のDL復帰後、8月は連投もこなしているが、起用方法に気をつけなければいけないタイプであることは確かだろう。
左打者を極端に苦手としている
メジャー通算成績は
- 対右:【被打率 .156】【出塁率 .266】【長打率 .295】
- 対左:【被打率 .362】【出塁率 .469】【長打率 .617】
このようになっている。
原因は恐らく変化球の制球にあると思われ、有効な外角へとコントロールできる球を持っていない為だろう。
端的に言えば利き腕の対角線上以外への制球が苦手な投手と言えばいいだろうか。
先発経験は浅い
各種報道を見ると先発ローテの一角になんて言われていたのだが、先発経験は非常に浅い。
まともにやっていたのはルーキイヤーの11年だけである。
軸となる直球があって、変化球を数種類持つ本格派右腕と考えれば先発もと言えなくもないのだが、変化球の精度や対左成績を考えると少々厳しい様に感じる。
特にスプリットなんかは、持ち玉と呼べるレベルか大分怪しい。
確かに、連投によるパフォーマンス低下を考えるとコンディションのコントロールの効きやすい先発転向にも一考の余地がありそうな気もするが……それ以前にクリアしなければいけないハードルは少々多いかもしれない。
ジョニー・バーベイト(Johnny Barbato) まとめ
ガラスの剛腕リリーバー。
メジャーでは年を追うごとに狂い続けた感覚をどれだけ引き出し、維持できるかが鍵になりそうだ。
持っているものを全て出せれば、現時点でもNPBトップレベルの投球を見せてくれるだろう。が、二年間狂い続けたものを急に戻せるかはそれなりに賭けとなる。
一方でリリーフ起用に限っては、とりあえず軸となる4シームさえNPBに来ることで相対的に良化してしまえば、後はなんとかなりそうなのも事実。狂ったままでも大して問題ありませんでしたなんて可能性も割と考えられる。
しかし、どうせならメジャーデビュー当時のような最高の状態を見たいと願ってしまうのは私だけではないだろう。
今回はネガティブな要素が多くなってしまったが、26歳と若く、伸びしろも残しているであろう元トッププロスペクト。
蓋を開けてみれば大活躍!なんて未来に期待して来年3月の開幕を待ちたいと思う。
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