まさかのダークホース登場だ。
阪神が!ロッテが!オリックスが!巨人が!西武が!楽天が!と多くの報道をされていた中、なぜか最後には日本ハムファイターズが優先交渉権を獲得した。
日本ハム、台湾の「三冠王」王柏融の優先交渉権獲得
台湾プロ野球(CPBL)のラミゴは20日、海外移籍を目指す王柏融外野手(25)の優先交渉権をプロ野球日本ハムが獲得したと発表した。日本ハムには30日間の交渉期間が与えられる。
【 サンスポ 】
ポスティングによる獲得費用の高騰を嫌ったのか、相次ぐ撤退。
それにより楽天くらいしか候補が残っていなかったのも確かだが、それでもポスティングフィーによるリスクが発生する王柏融にハムが行くとは思わなかった。
よくよく考えればドラフト戦略や、選手への移籍容認といった点から考えて、日ハムらしい補強と言えばそうなのかもしれない。
今回は、その王柏融 (ワン・ボーロン)の基本情報や特徴について取り上げていこう。
【12/07 日本ハムが王柏融と入団合意】
日本ハムは7日、台湾プロ野球ラミゴの王柏融外野手(25)=182センチ、85キロ、右投げ左打ち=と契約合意に達したと発表した。3年契約総額4億円プラス出来高払い。
【サンスポ】
王 柏融 (ワン・ボーロン) 基本情報
ラミゴモンキーズは、王柏融(ワン・ボーロン)の海外移籍優先交渉権を北海道日本ハムファイターズに付与したことを発表します。 pic.twitter.com/DXHMGIXSTD
— ラミゴジャパン (@LamigoJapan) 2018年11月20日
守 | 投/打 | 歳(生年月日) | 身長/体重 | 所属 |
外 | 右/左 | 25(1993/09/09) | 181cm/90kg | ラミゴ(台湾) |
成績 | ||||
|
台湾の大王こと、台湾球界屈指の強打者。17年WBCに合わせて行われた日本代表との壮行試合では楽天・則本から本塁打を放ち、日本でも注目度の高い選手である。
15年に台湾球界(CPBL)にてデビューし、16年17年と二年連続で打率4割をマーク。
超打高で知られるCPBLでの成績であることと、今季成績を落としてしまったことで、その実力を疑問視する声も増えているが、素材的には間違いなく一級品。
外国人助っ人に最も求められるであろう即戦力のパワーツールという点では、期待はずれに終わる可能性も拭えないが、高いレベルで多くの能力を備えた中距離打者としての期待感は抜群。
NPB入りの可能性については、所属チームのラミゴがポスティングでの移籍を容認との報道や、海外メディアの記事を読む限り、何れかの球団にほぼほぼ来ると思って間違いないだろう。
(11/20) 日本ハムファイターズが交渉権を獲得
王 柏融 (ワン・ボーロン) プレー動画
王柏融 (ワン・ボーロン)のプレー動画。
ほとんどがバッティング、後半8:30以降に少し守備の様子が記録されている。
2018の全安打。本塁打を打つ力はあるが、本質的には中距離ヒッターという印象を受ける。
今季は本塁打数を減らしているからそう見えるのも当然といえば当然なのだが……
鋭くボールをしばくシュアなバッティングはアベレージタイプとしてみれば理想的な形。
なぜかスピードガンコンテストから始まる動画。
マウンドからこれだけ投げられるのだから、言われているように肩が……なんて事はないと思うのだが……確かに外野からの送球は平均~ちょっと下といったところだろうか?
地肩は悪く無さそうだから送球モーションの問題に思える。
守備については多少修正が必要かもしれない。
王 柏融 (ワン・ボーロン) 守備について
指標など数値データに満足なものが無いので、各記事やプレー動画で判断するしか無いのだが、前提としてプラスの評価は少ない。
先に挙げた送球面の問題の他に、ポジショニングや打球判断、走塁判断に修正が必要という評価が多かった。
だが、プレー動画を見る限り、最低限の守備力は備えているように見えるし、走力についても問題は無さそう。
シーズン二桁以上の盗塁を記録できる走力、スピードガンコンテストで見せた肩と身体能力は備えている事も確かだ。
25歳、プロ4年目という点を考慮すれば、今後の修正次第では、かなりのレベルまで引き上げることも可能だろう。
ポジティブな特徴
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台湾プロ野球(CPBL)で4割!三冠獲得!
16年17年と2年連続で打率4割を記録。
17年は三冠+最多安打と多くのタイトルを獲得している。
今季は打率.351と数字を落としてしまったが、打撃能力にかなりのものを持っている事は確かだろう。
最近、ロッテとやった親善試合では残念ながら快音を聞くことは殆どなかったようだが、これまで数回の日本選手との対戦では悪くない結果も残している。
狙って獲得できるプレイヤーでは無い
プロ4年目の25歳で国内リーグのトッププレイヤー。
今後の台湾を担うトッププロスペクトであることは間違いない。
台湾と日本、リーグレベルの違いこそあれ、このクラスの選手を獲得できるチャンスはまず無いと言っていいだろう。
台湾人気にも期待!
台湾での日本野球の人気は高いらしい。
近年はロッテもラミゴとの関係を強化しているし、巨人の陽岱鋼獲得にもその思惑があったと言われている。
アマスポーツの延長からスポーツビジネスへと成長途中にあるNPBにとって、海外ファンを取り込める要素は大きなチャンスとなる。
ネガティブな特徴
超打高の台湾リーグ
台湾リーグは超打高リーグ!
ここ数年のリーグ平均打率は.280~.290辺りを記録(日本は.250~.260)。2016年には3割を超えてしまっている。
また、シーズン4割超えの成績も王 柏融が二回記録した他に、2016年は二人記録している。
こういったリーグ背景を考えると評価は難しい。
とはいっても2年連続での4割超えは簡単なことではないだろうから、好打者であることに疑いは無い。
あるとすれば本塁打量産はどうだろう……という懸念だろうか。
守備評価が低い
スカウティングレポートなどでの守備評価が低い。
特に送球面に不安があるようだ。
が、先にも述べたように身体能力は高く、まだ若い。
伸びしろはあると考えてもいいだろう。
長距離打者ではなく中距離打者
三冠と壮行試合で楽天・則本から打ったホームランのイメージによって本塁打に期待する向きもあるが、本質的には中距離打者。
ホームランの打ち損じがヒットになる長距離打者と違い、ヒットの延長にホームランがある打者なので広い札幌ドームではそれほど一発には期待ができないかもしれない。
王 柏融 (ワン・ボーロン) まとめ
若く国を代表するアベレージヒッター。
プロデビューからここまで高い打撃成績を残したセンスと技術は本物。
一方でスタンドに放り込むパワーは備えるものの、国内選手で埋めることの難しいパワーと言う部分に期待される助っ人選手としては、少々リスキーであることも否めない。
外国人枠という限られた枠を使って、球団が何に期待して起用するかで成功確率も大きく変わってくるだろう。
しかし、このクラスの選手を獲得できるチャンスは稀で、そこに手を挙げるだけの価値はあるはずだ。
何より、NPBは多くの選手を今回とは比較にならない額(王のポスティング条件については公開されてはいないが)でMLBに売ってきたのだから、その逆の姿勢も見せていい。
ハム以外の他球団が、能力や補強ポイントの問題で撤退を決めたのであれば仕方ないが、変わりの候補も無く、ただ単純にポスティングを嫌っての撤退となったのであれば少々寂しく感じる。
現役選手の中だけでも巨人・陽岱鋼をはじめロッテ・チェン、トゥーシェン、楽天・宋など台湾出身の選手は多くいるが、台湾プロ野球を経由しNPBで大活躍したという例は無い。
そのため、王 柏融の台湾での成績もどう判断するべきか意見が割れるのだ。
願わくば、かつて日本から海を渡った野茂やイチローのように、CPBLからNPBへと渡ったパイオニアと呼ばれるような活躍を期待したい。
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