ロマンの塊がNPBにやってくる!
マイナーでは通算169発の本塁打を放ち、メジャーでは324打席で124の三振を記録!
調子の問題かと思いきや3Aに戻れば打ちまくる……。
故に最強の4Aプレイヤーと呼ばれたジャバリ・ブラッシュが楽天に来る!
ということで、今回はジャバリ・ブラッシュのプレー動画や各種データを見ながらあれやこれやと考察していこう。
ジャバリ・ブラッシュ(Jabari Blash) 基本情報
守 | 投/打 | 歳(生年月日) | 身長/体重 | 所属 |
外 | 右/右 | 29(1989/07/04) | 195.6cm/106.6kg | エンゼルス |
成績 | ||||
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選手経歴など
07年、09年と米ドラフトで指名されるも入団せず、10年に三度目の指名(8巡目、全体252位)をマリナーズから受けプロ入り。
マイナーを順調に登るがロースターを逃し、15年オフにルール5ドラフトでアスレチックスが選出、その後パドレスへトレードされた。
16年4月にメジャーデビューしたものの29打席25打数3安打13三振と振るわず5月13日にDFAからマイナー契約。
その後、7月30日に再びメジャー昇格を果たすが、目立った成績を残せずオフに再びDFAからマイナー契約となる。
17年には再度メジャー契約を勝ち取るも、オフにヤンキースへトレード。が、18年2月ヤンキースでもDFA。
エンゼルスが獲得の意志を示しトレードの形で移籍した。
しかし、やはりメジャーでは結果を残せずオフにリリースされFAとなる。
(12/05) 楽天と契約合意【Full-Count】
ジャバリ・ブラッシュ(Jabari Blash) プレー動画
ジャバリ・ブラッシュのハイライト集。
打撃はパワー自慢のローボールヒッターという印象。
守備について身体能力は高いように感じる。
Making sense of @Angels prospect Jabari Blash’s mammoth homer, using emojis & arrows.#MiLB pic.twitter.com/sCpMmzk0NZ
— Minor League Baseball (@MiLB) 2018年5月26日
今年5月にマイナーで打った特大ホームランの映像。
看板の474ftはメートルに直すと約144.5メートル。それを軽々と超えていったということは一体どれだけ飛んだのだろうか?
ジャバリ・ブラッシュ(Jabari Blash) 守備について
《守備経験》
- 【ライト】メジャー:471.2イニング/マイナー:3937イニング
- 【レフト】メジャー:177.2イニング/マイナー:1219.1イニング
《守備指標》
- 【ライト】メジャー:UZR(-1.2) 守備率(.974) マイナー:守備率(.967)
- 【レフト】メジャー:UZR(-1.1) 守備率(.917) マイナー:守備率(.957)
マイナーではセンターの経験もあるが、基本はライトorレフトの外野手。内野の経験は無い。
動画でいくつかあった守備の様子を見る限り、身体能力そのものは高い。実際、守備範囲を計る指標となるRngRはプラスとなっており、外野手としての守備範囲は問題無いだろう。
足を引っ張っているのはARM(送球を計る指標)と守備率(確実性の低さ)。全体的に大雑把な感じは否めない。
ポジティブな特徴
3Aでの成績は申し分なし!ロマンの塊
14年から18年の5年間、3A(PCL)で残した成績は素晴らしい。
1283打席94本塁打 打率.274 OPS1.000
特に18年は346打席(287打数)で29本塁打を放ちPCL本塁打王となっている。
ちなみに二位のAJリードは540打席(462打数)で28本塁打。同じだけ打席数があればブラッシュは45本強打っていた計算となる。(3位にブラッシュ以上のペースで本塁打を量産したモンスターもいるのだが、今回は割愛)
規格外の長打力!
ここまでのデータや動画を見てわかるように、長打力は抜群。
その弾道でスタンドインするの?というような弾丸ライナーから、2つ目の動画で見せたようなモンスターホーマーまで打つことが可能。
ネガティブな特徴
メジャーではスイングミスを量産
メジャーでは、バットにボールが当たらず……巨大扇風機と化してしまった。
マイナーでも3割程の三振率を記録していたが、四球も適度に選び、そこに長打が絡むので大きな問題ではなかったのだが……。
以下がメジャー・マイナーそれぞれの大雑把なデータ。
- 【メジャー通算】BB%:13.6% / K%:38.3% / BB/K:0.35 / 打率 .186
- 【3A(PCL)通算】BB%:14.3% / K%:29.3% / BB/K:0.48 / 打率 .274
四球に対するデータはそれ程変わらず、三振率の大幅な増加がそのまま打率の低下に繋がっている。
単純にメジャークラスのボールにバットが当たらない……としか言いようが無い。
- O-Contact%(ボールゾーンのコンタクト率):40.5%
- Z-Contact%(ストライクのコンタクト率):64.8%
- Contact%(全体のコンタクト率):58.2%
どこから突っ込んでいいかわからないが、コンタクト率が6割を切るのはもはや異常値と言っていいだろう。
四球率が横ばいなことからわかるように、アプローチが悪化しているわけではない。
O-Swing%(ボールゾーンのスイング率):22.5%
と、長距離打者としては、むしろ優秀な数字である。
それでは、年度別の各球種への対応を次の項目で見ていこう。
各球種・ゾーンへの対応
《16年のメジャーデータ》
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《17年のメジャーデータ》
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《18年のメジャーデータ》
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まぁ一言で言えば壊滅的だ。
年度別に見て受ける印象としては、初年度にメジャークラスの球についていけない壁にぶち当たり、翌年はなんとか早い球へ合わせてきた。(打率は横ばいもコンタクト率が上がる)
そして変化球にも付いていこうと試行錯誤の末、全部についていけなくなった……とそんなところだろうか?
細かな打撃メカニクスについては、素人がどうのこうの言える問題ではないが、動画を見る限りストレートの速さに振り遅れてしまっている。
ジャバリ・ブラッシュ(Jabari Blash) まとめ
3Aとメジャーには分厚い壁がある。
NPBの1軍と2軍の比で無いことも間違いない。
しかし、ここまで極端な例も稀だ。故に最強の4Aプレイヤーであり、ロマンの塊なのである。
ブラッシュがぶち当たった最初の壁がメジャークラスのパワーピッチだと仮定すれば、一段パワーの劣るNPBではその実力を発揮できるかもしれない。
元々、三振は多いがアプローチは悪くなく、ボールに対応することさえできれば結果は付いてくるはずだ。
が、実際これほど極端に成績を落としていることから、NPB上位のストレートについていけるかは疑問で、中々のギャンブルになる。また、NPBにはMLBとは違う難しさもあるだろう。
いきなり話がスケールダウンしてしまい申し訳ないが、以前千葉ロッテのアジャこと井上晴哉についてブログに書いたことがある。

アジャも二軍では圧倒的な力を発揮していたのだが、一軍では鳴かず飛ばずで今年ようやく覚醒した。
よく言われる二軍の帝王とは、一線を画する結果を示していたという点ではブラッシュと同じだろう。
毎年のように出てくる二軍の帝王クラスであれば、人知れず消えてしまうことも珍しくないが、極限までトップリーグに近いスター候補は、ほんの少しのキッカケで一足飛びに一流選手へ覚醒する。
もし、ブラッシュがNPBで壁にぶち当たるようなことがあったとしても、ぜひともそんな覚醒を期待したい。
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