【巨人】2番最強説に乗っかればいいじゃない【2番ゲレーロ】(前)

「先日、藤浪の登板凄かったな~」だとか「大谷半端ねえ」だとか「西武走ってるね~」だとか
色々と書きたいことは、あるんだが……それよりもなによりも巨人が勝てない。
先取点の呪いでもかかってるんじゃないかって程に勝てない!

前回のブログ【巨人】連敗脱出!原因はどこにあったのか【繋がらない打線】では、結局大した結論が出なかった。
あれで終わりでは、どうにも気持ちが悪い。結局一つ勝って二つ負けてしまったし……てわけで一つその打開策になりそうな可能性を検討してみよう。

今回、検討するのは【2番ゲレーロ】の可能性

断っておくが、あくまでも可能性の話である。
ありえねえと言って心が折れる程の罵詈雑言はできれば勘弁して欲しい。

ついでにやたら長くなってしまったので、前編と後編に分けている。
前編にはゲレーロのゲの字も出てこないことを、先にお詫びする。

2番最強説 NPBとMLBの違い

2番最強説とは

野球で2番と言えば、器用な打者が置かれるイメージがある。
1番が出塁し、2番が繋ぎ・送り、クリーンナップで返す。そんなイメージだ。

が、昨今のプロ野球では、2番バッターの役割に変化が起きている。

セイバーメトリクスの流行で、得点力を上げるには2番に最強打者を置くのがベストというものだ。

MLBでは2番に強打者を置くことは、既にある種の定石になりつつあり、今季もヤンキースでは、昨年の新人王・MVP・本塁打王に輝いたアーロン・ジャッジが変わらず勤めている。
他にもオリオールズのマニー・マチャドであったり、エンゼルスのマイク・トラウトなど、誰もが1度は聞いたことがあるような各チームの顔とでも言うべき強打者が、2番に置かれているのだ。

対して日本は、強打者と呼ばれる選手が置かれるのは昨年の楽天・ペゲーロと巨人・マギーくらいで、大した変化は無いようにも思える。それを引き合いに、日本とMLBの違いをテーマにした記事が事あるごとに出てくる。

その内容は大抵、考え方・野球スタイルの違いと結論づけている。が、果たして本当にそうなのだろうか?

 

チーム事情の違い

 

《 NPB 》

チーム試合数本塁打数平均本数
SB1431641.15
広島1431521.06
巨人1431130.79
ロッテ143950.66
NPB171615000.87

《 MLB 》

チーム試合数本塁打数平均本数
NYY1622411.49
BAL1622321.43
LAA1621861.15
SFG1621280.79
MLB486061051.26
※NYY=ニューヨーク・ヤンキース
BAL=ボルチモア・オリオールズ
LAA=ロサンゼルス・エンゼルス
SFG=サンフランシスコ・ジャイアンツ

これはNPBとMLB、いくつかのチームをピックアップして一試合チーム平均本塁打数を出した表だ。

NPBの表では、両リーグトップのチーム本塁打数のSB、広島、そこに巨人と両リーグ本塁打数最下位のロッテを加えている。一番下は、NPB平均になる。

MLBの方も同じ様に、MLB30球団でチーム本塁打1位のヤンキースと5位のオリオールズ、30チーム中25位のエンゼルスと最下位のサンフランシスコ・ジャイアンツをピックアップしている。

平均本数にしてしまうとイマイチその差を感じにくいが、MLB平均であっても日本で言えば年間180本クラスとトップのSBよりも上にいる。
NPB1位のSBとMLB25位のエンゼルスが同率なわけだから当然といえば当然だ。

同名のジャイアンツ同士が0.79と同じ数字であるのはなんとも奇妙な偶然だが、まぁそんな事はいいとして、言ってしまえば

強打者の絶対数が違うのだ。

 

MLBの実情・SFGでは2番最強説を活用しきれていない

 

例えばジャッジを二番に置くヤンキースであれば、3-4-5にもスタントン・グレゴリアス・サンチェスと30本クラスの強打者が並ぶ。25位のエンゼルスであっても4番にはプホルスがいるし、3番にはアップトンがいる。

気になるのは昨年のサンフランシスコ・ジャイアンツだが、序盤は2番に20本クラスのベルトを置くことも多かった。しかし、結局クリーンナップが足りずベルトが3番に入って2番は日本で言う繋ぎの2番が努めることも多かったようだ。

つまり、MLBであっても「なにがなんでも2番に強打者を置こうというわけではない。あくまで最低限のクリーンナップを揃えた上での話である。

2番最強説のイメージ

二番最強説のイメージを言葉だけでは伝えにくかったので下のような図を作ってみた。

《 MLBの場合 》

出塁寄りの打者を青、長打寄りの打者を赤、その能力の大きさを色の濃さで表示した。その関係性は下に示す通りだ。

最も濃い赤と青では選手タイプは違えどイコールで結んだ同程度のクラスであるが、OPSを考えた場合0.5クラス程落ちるようなイメージを持つといいかもしれない。

1番打者に出塁よりの最も優れた選手を置くことは今も昔も変わらない。

これまで、というか私なんかのイメージであれば2番には続けて、出塁よりの2番手クラスの選手を置き、3-4-5のクリーンナップを長打よりの一番手クラス・二番手クラスで固める。

が、得点力を考えた場合、1番の後ろにはそのままOPSに優れるクリーンナップを詰めて配置しようというのが今の主流であり、図の変化後の状態である。

前項で示したように長打よりの選手が多いMLBでは、そうしてクリーンナップを詰めたとしても5番に長打よりの二番手の選手をはめ込むことができる。

それに対してNPBはどうだろうかと言えば次のようにイメージできる。

《 NPBの場合 》

MLBと比較すれば長打よりの1番手、2番手クラスが少ないNPBではどちらかといえば青の出塁よりの巧打者が多い。

仮に6番を打つ選手が、図のように長打よりの選手であったとしても、その能力が2番の選手を超えることは多くない。

結果、1’の図のようなクリーンナップの弱体化を生むか、2’のようなただ2番と5番を入れ替えただけという状態になる。

要するに、強打者の絶対数が不足するNPBでは、この作戦は無理があるのだ。

それを考え方が違う、スタイルが違うと言えばまぁそうとも言えるのだろうが「できるけどやらない」のと「できない」では大きく違う

NPBでは、圧倒的に「できない」チームが多いのである。

 

日本には2番最強説は馴染まない?

では、この2番最強説は日本には馴染まないのか?
と言えば、そうではない。

2番最強説と言ってはいるが、その中身はOPSに優れた打者を前詰めにしていきガンガン打って攻めていこうというものだ。

大事なのは2番にチームで一番のパワーヒッターを置くことではない。
送る、繋ぐという意識から、攻めていくという意識に大きくスライドするのが大切なのだ。

犠打数の減少傾向

NPBでは、ここ数年2番打者の犠打数が減っている。

2013年には平均46個あった二番打者の犠打数が、昨年31個に減少した。

つまり、2番に強打者を置くことはチームバランスの問題で難しいが、2番が強打で臨むという考え方そのものは定着し始めているのだ。

また、パワーヒッターの割合が少ないNPBでは、巧打に優れた打者がパワーヒッターの代わりを努める事も多い。

例えば、西武の秋山であったり、広島の菊池のような選手だ。そういった選手が2番に入るケースを考えれば、それは日本式の強打の2番であると言えるかもしれない。

まとめ

やっている野球が違う、馴染まない、ファイアーフォーメーションなどと一蹴される事も多い2番強打者ではあるが、やっている野球は既にMLB寄りになってきている

であれば、その編成さえ許せば二番に強打者を置くという選択は有りではないだろうか?

いや、むしろここまできて「やれるけどやらない」なんて理由は無いはずだ。

さて、随分と長くなってしまったので続きは次回に……。

次回は巨人のチーム事情(「やれるけどやらない」or「できない」)の検討と、できるとすればゲレーロを置くメリットについて書いていこうと思う。

2番・ゲレーロ後編はコチラ

☆参考サイト☆

・スポナビ https://sports.yahoo.co.jp/

・データで楽しむプロ野球 http://baseballdata.jp/

 

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